深夜割増賃金
しんやわりましちんぎん法律で決まっている22時から5時までの間に働かせた場合に、通常の労働時間の賃金の2割5分以上の率で計算した割増賃金を払わなければならない、という決まりです。労働基準法37条4項にあります。所定労働時間内であっても、その時間帯にかかれば発生します。つまり「残業していないから付かない」ということはありません。厚生労働大臣が必要と認める地域・期間については23時から6時までとされていますが、現在この指定は行われていません。
給与明細と就業規則に実際に出てくる言葉だけを16語集めました。 この事典でいちばん大事なのは、法律で決まっていることと病院が就業規則で決めていることを分けて読むことです。夜勤手当そのものは後者で、深夜割増は前者です。 ここを混ぜると「夜勤手当が付いているから法律どおり」という 読み違いが起きます。
22時から5時までの間に働かせた場合に、通常の労働時間の賃金の2割5分以上の率で計算した割増賃金を払わなければならない、という決まりです。労働基準法37条4項にあります。所定労働時間内であっても、その時間帯にかかれば発生します。つまり「残業していないから付かない」ということはありません。厚生労働大臣が必要と認める地域・期間については23時から6時までとされていますが、現在この指定は行われていません。
夜勤に入ったことに対して病院が出す手当です。法律に「夜勤手当を払え」という規定はありません。 額も、深夜割増を含むかどうかも、病院が就業規則で決めます。日本看護協会の2025年 病院看護実態調査では、52.0%の病院が「深夜時間帯の割増賃金を含む定額の夜勤手当を支給している」と答えており、これが最も多い形です。この形の場合、明細に深夜割増の行は出てきません。
割増賃金を計算するときのもとになる賃金です。基本給だけではなく、原則としてすべての手当が入ります。外していいのは 家族手当・通勤手当・別居手当・子女教育手当・住宅手当・臨時に支払われた賃金・1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)の7つだけで、これは労働基準法37条5項と施行規則21条による限定列挙です。ここに書かれていない手当は外せません。職務手当・資格手当・地域手当・危険手当などは、名前がどうであれ基礎に入ります。
割増賃金を計算するための1時間あたりの賃金です。月給制の場合は「月によって定められた賃金を、月における所定労働時間数で割った額」と労働基準法施行規則19条1項4号に書かれています。月ごとに所定労働時間が違う場合は、1年間の1か月平均を使います。この計算に入れる月額は、上の「割増賃金の基礎となる賃金」であって額面の総額ではありません。
一定の期間を平均して週40時間以内に収まっていれば、特定の日に8時間を超えて働かせてもよい、という制度です。労働基準法32条の2以下にあります。16時間夜勤のような長時間の勤務を組むために、多くの病院が1か月単位の変形労働時間制を採用しています。採用していて、その日の所定労働時間が16時間に設定されていれば、その勤務では法定時間外労働は発生しません。採用しているかどうかは就業規則に書かれています。
1日を日勤と夜勤の2つに分ける勤務の組み方です。夜勤が長く、拘束16〜17時間程度になることが多いため「16時間夜勤」とも呼ばれます。三交代制に比べて夜勤の回数は少なくなりますが、1回が長くなります。日本看護協会の2025年調査では、二交代制の夜勤1回あたりの定額の夜勤手当は平均11,470円でした。
1日を日勤・準夜勤・深夜勤の3つに分ける勤務の組み方です。1回の勤務は8時間程度ですが、回数が多くなります。準夜勤は16時ごろから0時半ごろまで、深夜勤は0時ごろから8時半ごろまでが典型です。深夜時間帯(22時〜5時)にかかる時間は、準夜勤で2時間台、深夜勤で5時間前後になります。同じ「1回」でも深夜帯にかかる長さが違うので、深夜割増の額も違います。
夜勤時間帯だけに従事する働き方です。診療報酬の施設基準では、夜勤専従者の月あたりの夜勤時間数は72時間の概ね2倍以内、すなわち144時間以内とされています。また、病棟の「月平均夜勤時間数72時間以下」を計算するときの人数と時間からは、夜勤専従者は除かれます。日本看護協会の2025年調査では、一般病棟に勤務する看護職員のうち夜勤専従者は3.3%でした。
入院基本料を算定する病棟で、看護職員の月平均夜勤時間数を72時間以下にすることを求める施設基準です。病棟の平均に対する基準であって、個人ごとの上限ではありません。 計算からは夜勤専従者と、月の夜勤時間数が16時間以下の人が除かれます。ここでいう「夜勤時間」は、各医療機関が定める22時から翌5時までを含む連続する16時間の時間帯の中で勤務した時間で、労働基準法の深夜時間帯(22時〜5時)とは範囲が違います。
診療報酬の施設基準で使う言葉で、各保険医療機関が定める、22時から翌5時までを含む連続する16時間を指します。どの16時間にするかは病院が決めます。労働基準法の「深夜時間帯」は22時から5時までの7時間で固定なので、同じ「夜勤」でも数える範囲が違います。72時間ルールの数字と、深夜割増の計算に使う時間を混ぜないでください。
労働基準法34条により、労働時間が8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩を、労働時間の途中に与えなければなりません。休憩は労働時間ではないので、深夜帯にとった休憩・仮眠の時間には深夜割増は付きません。ただし「仮眠」であっても、電話や急変への対応が義務づけられていて自由に過ごせない時間は、労働時間として扱われることがあります(手待時間)。実態がどうかは個別の判断になります。
作業をしていなくても、使用者の指揮命令下に置かれていて自由に利用できない時間のことです。名目が「休憩」や「仮眠」であっても、実態として業務からの解放が保障されていなければ労働時間として扱われます。夜勤の仮眠時間中にナースコールや急変への対応が求められている場合、この論点になります。労働時間かどうかは、実際にどれだけ拘束されていたかで判断されます。
労働基準法61条により、満18歳未満の人を22時から5時までの間に働かせることは原則として禁止されています(交替制で働く満16歳以上の男性など、限られた例外があります)。准看護師の資格は18歳未満でも取得できる場合がありますが、この規定があるため、夜勤に入るのは実質的に18歳以上になります。
小学校就学前の子を養育している人や、要介護状態の家族を介護している人が請求した場合、事業主は原則として22時から5時までの間に働かせてはいけません。育児・介護休業法19条・20条にあります。これは制度として請求できる権利で、病院の裁量ではありません。ただし、同居の家族が保育できる場合など、請求できない条件も定められています。
健康保険料・厚生年金保険料を計算するための、報酬を区切りのいい等級にあてはめた額です。夜勤手当も報酬に含まれるので、夜勤の回数が多い人は標準報酬月額が高くなり、保険料も高くなります。同時に、傷病手当金・出産手当金・将来受け取る厚生年金の額も標準報酬月額をもとに計算されるため、引かれる額だけでなく受け取る額にも影響します。金額は加入している保険者の保険料額表で決まります。
本来の業務とは別に、緊急対応のために事業場に留まる勤務のことです。労働基準法41条3号と施行規則23条により、労働基準監督署長の許可を受けた「断続的な宿直または日直」は、労働時間・休憩・休日の規定が適用されません。ただし深夜割増は適用されます(適用除外は労働時間と休日についてのもので、深夜業の規定は外れません)。なお、通常の業務をそのまま夜間に行っている場合は、名前が「当直」でも許可の対象にはならず、通常の労働時間として扱われます。